肘・手首の不調

テニス肘・ゴルフ肘でやってはいけない7つのNG動作と改善のヒント

「安静にしているのに肘の痛みが引かない」その理由を一緒に考えます

物を持ち上げた瞬間や、タオルを絞ったとき、ドアノブを回したときに肘の外側(テニス肘)や内側(ゴルフ肘)がズキッと痛む——。「安静にすればそのうち治るだろう」と思って過ごしていたのに、なかなか良くならない。むしろ日常のちょっとした動作でぶり返してしまう。そんな状態でこの記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

実は、テニス肘・ゴルフ肘が長引く背景には、「良かれと思ってやっていること」がかえって回復を妨げているケースが少なくありません。この記事では、痛みを長引かせやすい7つのNG動作を整理したうえで、ネイチャーボディ鍼灸整体院の山崎由浩院長が臨床で「肘そのもの以外のどこを診ているのか」という視点を軸にお伝えします。まず結論を先にお伝えすると、テニス肘・ゴルフ肘・手首の腱鞘炎は、肘や手首「だけ」の問題ではないことがほとんどです。

まず確認したい「医療機関の受診を優先すべきサイン」

徒手療法やセルフケアの話に入る前に、必ず先にお伝えしたいことがあります。以下のようなサインがある場合は、整体や鍼灸よりも整形外科など医療機関の受診を優先してください。

  • 手や指に痺れがある、力が入らない——これは腱の使い痛みではなく、神経が関わっているサインの可能性があります。首(頚椎)由来のこともあります。
  • 鎖骨の上あたりから腕・手にかけて症状が広がる——鎖骨まわりの筋肉によって腕へ向かう神経の通り道が圧迫されているケースがあります。
  • 患部の強い熱感、あるいは異常な冷え——温度感覚の異常は、単純な腱の炎症とは別の背景を考える必要があります。
  • 安静にしていてもズキズキと強く痛む、腫れが引かない、発熱を伴う。

患者さんご自身は「痛い」と表現されていても、実際には痺れであることは珍しくありません。山崎院長も、こうした神経性のサインが疑われる場合には、まず医療機関での検査を優先してもらうことを大切にしています。整形外科では安静指導やサポーターの処方、症状が重い場合には注射などの対応がとられます。医療で診るべき領域と、徒手療法が力を発揮する領域を切り分けることが、遠回りを避ける第一歩です。

一般的に知られているテニス肘・ゴルフ肘の原因

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)もゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)も、手首や指を動かす筋肉が肘の骨に付着する部分に、繰り返しの負担がかかって起こる腱の炎症だと一般に説明されます。手首の腱鞘炎も含め、これらは「腱にかかる使い痛み」という点で共通しています。

誘因としてよく挙げられるのは、ラケット競技だけではありません。長時間のパソコン作業、スマートフォンの操作、育児での抱っこや授乳姿勢など、日常のなかで手首・前腕を酷使する場面はいくらでもあります。「スポーツをしていないのにテニス肘と言われた」という方が多いのは、このためです。

ただし、山崎院長はこうした教科書的な説明を出発点としながらも、「肘に負担がかかっている」という結果だけを見ていては、なぜ負担が集中したのかという本当の理由にたどり着けないと考えています。ここからが、この記事の主軸です。

【山崎院長が臨床で診るポイント】肘や手首「だけ」を診ない理由

山崎院長は、テニス肘・ゴルフ肘・手首の腱鞘炎を、部位の違いこそあれ「腱=ファシア(膜)の使い痛み」として一つのグループで捉えています。名前を厳密に見分けることよりも、痛む部位を的確に探し当てることのほうを重視しているといいます。

「肘・手首だけに問題がある人は、まずいない」

21年・のべ16万回の施術のなかで山崎院長が繰り返し感じてきたのは、「肘や手首だけに原因がある人はほとんどいない」という点です。手首や前腕の筋肉は肘へつながり、その負担をコントロールしているのは、さらに上流にある肩甲骨・上腕・頚椎(首)・胸椎(背中)・肋骨です。腕を振ったり物を持ち上げたりする動作は、本来これらが連動して力を分散させています。どこかが動きにくくなると、その負担を肘や手首が肩代わり(代償)してしまう——山崎院長はこの「代償の構造」を見つけることを重視しています。

特に注目するのは「胸椎の硬さ」

数ある関連部位のなかでも、山崎院長が臨床で特に着目するのが胸椎(背中の背骨)の硬さ、つまり脊柱の可動性の低下です。背中が丸まって胸郭(肋骨まわり)の動きが乏しくなると、腕を動かすときの土台が使えず、その分だけ末端の肘・手首にしわ寄せがいきやすくなる傾向があります。山崎院長の実感では、ラケットを振るかどうかよりも、普段の姿勢と胸椎の可動性のほうが症状のリスクに大きく関わっているといいます。パソコン・スマホ・抱っこといった誘因に共通しているのも、結局は「姿勢」なのです。

検査で異常が出ない「機能的な不調」を見る

レントゲンやMRIでは骨や組織の形の異常は分かっても、「動きのなかで生じる負担」までは捉えにくいものです。山崎院長は、画像検査で明らかな異常が出ないのに不調が続く機能的な問題に着目することがあります。腱をファシア(膜)の一部として捉え、肘だけでなく、それを取り巻く肩甲骨・胸郭・首の動きまで含めて整えていく——これが「揉んでほぐすだけ」とは異なる考え方です。呼吸のたびに動く肋骨・胸郭の状態も、背中の張りや姿勢と密接に関わるため、あわせて確認します。

その場で「動きの変化」を体感してもらう

山崎院長が大切にしているのは、施術の前後で肘や腕、背中の動きやすさ・軽さの変化をその場で体感してもらうことです。「なぜ肘の痛みなのに背中や首を診るのか」という疑問に、言葉だけでなく体の変化で納得してもらう。この積み重ねが、通院の意味を実感してもらうことにつながると考えています。なお、山崎院長が用いる手技はフランスの徒手療法専門学校で学んだ手法をベースにしていますが、その具体的な手の内までここで公開することはできません。

痛みを長引かせやすい7つのNG動作と、自宅でできる安全なセルフケア

やってはいけない7つのNG動作

  1. 痛いのに我慢して使い続ける——炎症が起きている腱に負担を重ねると回復が遅れます。痛みを合図に動作を見直しましょう。
  2. 痛む部分をグリグリと強く揉む・押す——炎症部位への強い刺激は逆効果になりやすく、腱そのものへの直接刺激はおすすめできません。
  3. 熱いお風呂やカイロで急性期に温めすぎる——ズキズキと強い痛みや熱感がある時期の過度な温めは、炎症を助長することがあります。
  4. 完全に動かさず、長期間ガチガチに固定し続ける——安静は大切ですが、必要以上の固定は周囲の筋肉や背中まで硬くし、かえって回復を妨げることがあります。
  5. 自己流で無理なストレッチを痛みを我慢して行う——「痛い方が効く」という思い込みは腱を傷めます。
  6. 肘・手首だけをケアして、姿勢や背中を放置する——上流にある胸椎・肩甲骨の硬さを残したままだと、負担のかかる構造が変わりません。
  7. 痺れや力の入りにくさがあるのに自己判断で対処し続ける——神経が関わるサインは医療機関の受診を優先してください。

自宅でできる安全なセルフケア

ここでは、痛みを増やさない範囲で取り組める内容を紹介します。いずれも痛みが強く出る場合は中止し、医療機関を優先してください。

  • 前腕のやさしいストレッチ:腕をまっすぐ前に伸ばし、反対の手で指先を手前にゆっくり反らして前腕の張りを感じる程度で20〜30秒キープ。痛気持ちいい手前で止めるのがコツです。
  • 胸を開くストレッチ(胸椎・胸郭へのアプローチ):椅子に浅く座り、両手を頭の後ろに添えて、息を吸いながら背筋を伸ばし胸を軽く開きます。丸まった背中をリセットする意識で、深い呼吸とともにゆっくり数回。山崎院長の視点でいう「上流」を動かすケアです。
  • 肩甲骨まわりの動き出し:両肩をすくめて後ろへ回すように大きくゆっくり10回程度。肩甲骨が動くと腕の土台が使いやすくなります。
  • 日常動作の見直し:物を持つときは手首だけでなく体全体で持つ、パソコン作業は肘を支える、スマホは目線を上げて猫背を減らす。姿勢の意識が加わることで、肘への負担分散をサポートできます。

セルフケアはあくまで「やり過ぎない」ことが原則です。回数や強さを増やすほど良いわけではありません。

整体・鍼灸で対応できる範囲と、医療に委ねるべきこと

正直にお伝えします。テニス肘・ゴルフ肘・手首の腱鞘炎に対して、徒手療法や鍼灸が「必ず治す」ことはできませんし、そうした断言はできません。骨折・重度の炎症・神経損傷など、医療機関で診断・処置すべき領域は医療に委ねるべきです。

そのうえで、徒手療法・鍼灸が力を発揮しやすいのは、整形外科で「炎症です、安静に」と言われたけれど動きのなかで痛みが続く、といった機能的な問題の領域です。慢性領域を扱う立場として、ネイチャーボディ鍼灸整体院では、肘や手首の腱をファシアの一部として整えつつ、負担の上流にある肩甲骨・首・胸椎・肋骨、そして姿勢という身体全体のバランスを整える視点でアプローチします。医療での診断を前提に、そこでは届きにくい「動きの質」に対して補完的に関わる——この位置づけを大切にしています。日常生活での困りごとを一つずつ取り戻していけるよう、患者さん自身のセルフケアや姿勢の意識と組み合わせて、回復をサポートします。

まとめ|肘の痛みは「肘だけ」の問題ではないかもしれません

テニス肘・ゴルフ肘・手首の腱鞘炎は、痛む場所だけを見ていると長引きやすい症状です。痛みを我慢して使い続けたり、患部だけを強く揉んだりするNG動作を避け、まずは痺れや力の入りにくさといった医療優先のサインがないかを確認しましょう。そのうえで、肘や手首の負担を生んでいる胸椎・肩甲骨・姿勢という「上流」に目を向けることが、遠回りを避けるヒントになります。

ネイチャーボディ鍼灸整体院では、施術21年・のべ16万回、フランスの徒手療法専門学校で国際基準を学ぶ山崎由浩院長が、肘そのものだけでなく代償の構造を含めて全身を確認し、施術前後で動きの変化を体感してもらうことを大切にしています。「安静にしても良くならない」「原因が分からず不安」という方は、一度ご相談ください。ご予約はLINEから、電話不要で24時間受け付けています。初回の方もお気軽にメッセージをお送りください。

よくある質問

Q. 整体に通うとしたら、どのくらいのペースが目安ですか?

結論として、痛みの程度や生活での使い方によって人それぞれ異なり、一律の回数はお伝えできません。補足すると、山崎院長は施術前後の動きの変化をその場で体感してもらいながら、状態に合わせて組み立てを調整していく考え方をとっています。まずは現状を確認し、そのうえで無理のない見通しを一緒に相談していくのが基本です。

Q. セルフケアだけで良くなる場合と、施術が必要な場合の違いは?

結論から言うと、姿勢や使い方の意識を変えるだけで負担が減り、落ち着いていくケースもあります。ただし、胸椎や肩甲骨の硬さといった「上流」の動きにくさが強い場合、セルフケアだけでは変えにくいことがあります。数週間セルフケアを続けても変化に乏しい、動作のたびにぶり返す、という場合は徒手療法での確認を検討する目安になります。

Q. サポーターやテーピングは使ったほうがいいですか?

結論として、痛みの強い時期に一時的に負担を減らす目的では役立つことがあります。補足として、これらはあくまで負担の軽減であって、負担が集中する原因そのもの(姿勢や胸椎の可動性)を変えるものではありません。使いながらも、上流のケアや動作の見直しを並行することが再発予防につながります。

Q. スポーツをしていないのにテニス肘と言われました。なぜですか?

結論として、テニス肘・ゴルフ肘はラケット競技だけで起こるわけではありません。パソコン作業・スマホ・育児の抱っこなど、手首や前腕を繰り返し使う日常動作が誘因になります。共通しているのは姿勢の影響で、山崎院長は競技の有無よりも普段の姿勢や胸椎の硬さのほうが関わりが大きいと捉えています。

Q. 年代によって気をつけることは違いますか?

結論として、傾向の違いはあっても年齢だけで一律には決まりません。若い世代は運動不足や生活習慣・長時間のデバイス操作による姿勢の崩れが背景にあることが多く、働き盛りの世代では作業姿勢の固定化が関わりやすい傾向があります。いずれも姿勢を保つ意識が負担軽減に役立つと考えられます。

Q. 一度良くなっても再発しやすいのはなぜですか?

結論として、痛みが引いても負担を生んでいた姿勢や胸椎・肩甲骨の動きにくさが残っていると、同じ場所に再びしわ寄せがいきやすいためです。補足すると、再発予防には患部のケアだけでなく、日常の姿勢の意識、胸を開くストレッチや肩甲骨の動き出しといった上流のケアを習慣にすることが役立ちます。

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