「整形外科でリハビリを続けても、なかなか肩が上がらない」その悩みに寄り添います
腕を上げようとすると肩の奥がズキッと痛む。服を着替えるとき、髪を結ぶとき、後ろのポケットに手を回すとき、思わず顔をしかめてしまう。夜になると痛みで目が覚める——。四十肩・五十肩でお悩みの方の多くが、こうした日常のつらさを抱えて検索されています。
そして少なくないのが、「整形外科で四十肩・五十肩と言われてリハビリに通っているけれど、なかなか変化を感じられない」という声です。実際、ネイチャーボディ鍼灸整体院にも、整形外科のリハビリで思うように改善せず「他に何か方法はないだろうか」と来院される方が非常に多くいらっしゃいます。
この記事では、施術21年・のべ16万回の臨床に携わり、フランスの徒手療法専門学校で国際基準を学んでいる(在学中)山崎由浩院長が、四十肩・五十肩をどう捉え、どこを診ているのかを主軸に解説します。教科書的な一般論だけでなく、臨床の現場で実際に着目しているポイントをお伝えします。
まず確認したい、医療機関を受診すべきサイン
四十肩・五十肩という言葉は広く使われますが、肩の痛みの背景には手術が必要なケースも隠れています。徒手療法やセルフケアを検討する前に、次のようなサインがある場合はまず整形外科の受診を優先してください。
- 転倒・手をついた・肩から落ちた・強くぶつけたなど、明らかなケガのあとに痛みや動かしにくさが出た
- 腕にまったく力が入らない、物を持ち上げられない
- 安静にしていても激しい痛みが続く、痛みが日に日に強くなる
- 肩だけでなく、腕や手にしびれ・冷感・感覚の異常がある
- 発熱を伴う、肩が腫れて熱を持っている
特に重要なのが、肩まわりの腱(腱板)の損傷・断裂です。これは整形外科の超音波(エコー)検査で判明し、状態によっては腱をつなぐ手術が必要になります。こうした病理は徒手療法の範囲外です。「四十肩だと思っていた」ものが実は腱板断裂だった、というケースもあるため、まず医療機関で画像検査を受けて病理の有無を確認することが、遠回りに見えて一番の近道です。
また、気になる症状が続く・強くなる場合も、我慢せず医療機関の受診を優先してください。
一般的に知られている四十肩・五十肩の原因
四十肩・五十肩(医学的には肩関節周囲炎と呼ばれることが多い)は、40〜50代を中心に、肩関節を包む組織に炎症や硬さが生じ、痛みと可動域の制限が起こる状態と説明されます。加齢に伴う組織の変化や、使い過ぎ・使わなさすぎといった要因が背景にあると考えられています。
一般には「炎症期→拘縮期→回復期」と経過し、時間をかけて自然に落ち着くこともあるとされます。ただし、レントゲンやMRIで大きな異常が見つからないのに痛みと動かしにくさが長引く、というケースが非常に多いのも特徴です。この「検査では捉えにくい状態」こそ、山崎院長が臨床で着目している領域です。
【山崎院長が臨床で診るポイント】痛む肩だけを診ても変わらない理由
ここからがこの記事の主軸です。山崎院長が四十肩・五十肩をどう捉え、どこを診ているのかを具体的にお伝えします。
「病理」と「機能的問題」を切り分ける
山崎院長がまず大切にしているのは、整形外科の診断を前提にした切り分けです。超音波検査で腱板の損傷・断裂といった病理が見つかれば、それは医療(手術・リハビリ)の領域。一方で、画像検査で大きな問題が見つからない場合、機能的な問題であるケースがほとんどで、ここが徒手療法の介入できる領域だと捉えています。整形外科のリハビリでなかなか改善しない方の多くは、この機能的問題を抱えていると考えられます。
肩は「多関節」——一つずつ機能を評価する
肩は肩関節(肩甲上腕関節)だけで動いているわけではありません。腕を上げる動作には、脊柱(背骨)・胸郭(肋骨まわり)・肩甲骨・鎖骨・肩甲上腕関節が連動して働いています。山崎院長はこれらを一つずつ徒手でていねいに機能障害の有無を評価していきます。
臨床の実感として、「レントゲンでは異常なし」「リハビリを続けている」という方でも、この多関節を個別に評価されたことがある方はほとんどいません。だからこそ、どの関節・どの動きが制限の背景になっているのかを徒手検査で見つけ、そこにアプローチしていくことに意味があると考えています。施術ごとに肩の可動域が少しずつ広がっていくことを、その場で体感していただけるかどうかを一つの目安にしています。
「痛む肩」ではなく、それを代償している離れた部位を診る
山崎院長がくり返し重視しているのが、「痛い場所」だけを診ないという視点です。肩が上がらないとき、実は背中の張りや硬さ、胸郭のこわばり、呼吸の浅さなどが背景で肩の動きを制限し、肩に負担を代償させているように見えるケースがあります。体は膜(ファシア)でつながっており、離れた部位の状態が肩の動きに関わっているように見えることも少なくありません。
そのため、肩まわりだけでなく胸椎・肋骨・呼吸のしやすさまで含めて全体のバランスを整える視点で組み立てます。背中が硬く胸郭が動きにくいと肩甲骨が滑らかに動けず、肩関節ばかりに負担が集中する——こうした連動を一つずつほどいていくイメージです。
見落とされやすい2つのケース
臨床で特に注意しているケースが2つあります。
- 外傷のあとに動かなくなったケース:転倒・手をつく・肩から落ちる・打撲などのあとは、各関節が動きにくくなっていることがあります。この場合は動かす方向へのアプローチを加えます。ただし前提として、整形外科で骨折・脱臼・腱板損傷がないことを確認していただくことが必須です。
- 内臓の疲れと膜のつながりが関わって見えるケース:これは補完医療の視点ですが、体は膜でつながっているため、内臓の疲れがファシアを介して肩の動きに影響しているように見えることがあります。年齢を重ねると背骨まわりだけでなく内臓の疲れや姿勢の影響にも着目することがあり、だるさ・便秘・不眠といった体調と関わっていることもあります。あくまで一つの視点であり、気になる内臓の症状が続く場合は医療機関の受診を優先していただきます。
強い刺激だけが正解ではない
体の傾向には個人差が大きく、強い施術より、内臓・膜(ファシア)へのやさしいアプローチが合う方もいます。年齢を重ねると体の傾向が固まりやすいため、その人の傾向に合わせて施術を組み立てることを大切にしています。冷えや消化器の疲れ、栄養状態が体調の背景にあることもあり、痛む肩だけを見ずに全体を診る理由がここにあります。
自宅でできる安全なセルフケア(順番が大切)
四十肩・五十肩のセルフケアで最も大切なのは「順番」です。振り子運動やストレッチは有効な手段ですが、痛みが強く可動域が狭い段階で無理に行うと、痛くてできない・かえって悪化することがあります。山崎院長は「まず施術で痛みを和らげ、可動域を広げてから、セルフケアを加える」という順番を重視しています。以下は、痛みが落ち着いてきた段階で無理のない範囲で行うことを前提とした内容です。
1. 振り子運動(コッドマン体操)
- テーブルなどに健康な側の手をつき、軽く前傾する
- 痛む側の腕を力を抜いてだらんと下げる
- 体をわずかに揺らし、その反動で腕を前後・左右・円を描くようにゆらす(腕の力で振らない)
- 各方向10回程度、痛みが出ない範囲で
力で動かすのではなく「重みで揺らす」のがコツです。痛みが出る範囲まで振らないでください。
2. タオルを使った肩甲骨まわりのストレッチ
- タオルの両端を持ち、背中側で縦になるように上下に構える
- 上の手でゆっくり引き上げ、下の手を無理なく引き上げてもらう
- 痛気持ちいい範囲で5〜10秒キープ、数回
3. 胸を開く・背中をゆるめる意識
肩だけでなく胸郭や背中の硬さが関わることを踏まえ、深呼吸に合わせて胸を開くように背筋を軽く伸ばす、肩甲骨を軽く寄せる、といった動きを日常に取り入れると、肩まわりの余計な緊張が抜けやすくなります。
やり過ぎ注意
「たくさんやれば早く良くなる」わけではありません。痛みを我慢して回数を増やすと炎症が長引くことがあります。痛みが増す動きは中止し、翌日に痛みが残らない量にとどめるのが原則です。セルフケアを続けても3ヶ月ほど変化がない場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
整体・鍼灸で対応できる範囲と、医療に委ねるべきこと
正直にお伝えすると、四十肩・五十肩には徒手療法が力になれる領域と、そうでない領域があります。
| 状態 | 主な対応 |
|---|---|
| 腱板の損傷・断裂などの病理がある | 整形外科(超音波検査・手術・リハビリ)の領域 |
| 画像で大きな異常がなく、機能的な問題が背景と考えられる | 徒手療法が介入できる領域 |
| 外傷のあとの動かしにくさ | まず整形外科で骨折・脱臼・腱板損傷を確認 → 問題なければ徒手療法 |
| だるさ・不眠など全身の不調を伴う | 気になる症状は医療機関へ。並行して補完医療の視点で全体を整える |
徒手療法でできるのは、脊柱・胸郭・肩甲骨・鎖骨・肩関節の機能を一つずつ評価し、動きを制限している部分に働きかけて、可動域の回復と日常動作のしやすさをサポートすることです。夜眠れないほどのつらさに対しても、可動域や緊張の変化を通じてアプローチする視点を含みます。ただし治癒を保証するものではなく、病理が疑われる場合は必ず医療機関の診断を優先します。
整形外科のリハビリで改善しない方の「駆け込み先」になっている現状こそ、徒手療法が果たせる役割だと考えています。やれば変化が出やすいものも多いため、長く我慢せずご相談ください。
まとめ
四十肩・五十肩は、まず整形外科の超音波検査で腱板損傷などの病理の有無を確認することが出発点です。病理がなく機能的な問題が背景と考えられる場合、肩だけでなく脊柱・胸郭・肩甲骨まで含めた全体のバランスと、痛む肩を代償している離れた部位に着目する徒手療法が力になれる領域があります。
ネイチャーボディ鍼灸整体院では、施術ごとに可動域の変化をその場で体感していただくことを大切にしながら、お一人おひとりの体の傾向に合わせて施術を組み立てています。「リハビリを続けても変わらない」「肩が上がらず日常が不便」という方は、可動域を広げてからセルフケアへ、という順番でサポートいたします。
ご予約はLINEから24時間受け付けています。電話は不要で、メッセージだけで初回のご予約が完了します。症状やお困りの状況を送っていただければ、当日までの過ごし方の目安もお伝えできます。まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 整体に通うとしたら、どのくらいのペースが目安ですか?
結論として、初期は週1回程度から始め、可動域や痛みの変化を見ながら間隔を空けていくのが一つの目安です。四十肩・五十肩は多関節の機能を段階的に整えていくため、間隔が空きすぎると変化を積み上げにくいことがあります。ただし適切なペースは状態や生活によって異なるため、初回に状態を確認したうえでご提案します。
Q. セルフケアだけで良くなる人と、施術が必要な人の違いは何ですか?
結論として、痛みが軽く可動域がある程度保たれている段階ならセルフケア中心で経過を見られることがあります。一方、痛みが強く腕がほとんど上がらない段階では、無理なセルフケアが逆効果になりやすく、まず施術で痛みを和らげ可動域を広げてからセルフケアを加えるほうが安全です。順番が重要だと考えています。
Q. 整形外科に通いながら整体を受けても問題ありませんか?
結論として、多くの場合は並行して差し支えありませんが、まず整形外科の診断内容を確認させていただくことが前提です。腱板損傷など病理がある場合は医療を優先し、機能的問題が背景と考えられる部分に徒手療法で対応する、という役割分担が現実的です。通院中の方は診断名やリハビリ内容をお伝えください。
Q. 40代と50代・60代で、注意すべき点は変わりますか?
結論として、年齢だけで一律に決まるものではありませんが、年齢を重ねると体の傾向が固まりやすく、内臓の疲れや姿勢の影響も背景に関わって見えることがあります。そのため強い刺激よりやさしいアプローチが合う方もいます。年代というより、お一人おひとりの体の傾向に合わせて組み立てることを大切にしています。
Q. 一度良くなっても再発することはありますか?予防法は?
結論として、可動域が戻っても背中や胸郭の硬さ・姿勢の癖が残っていると、肩に負担が集中しやすい状態が再びつくられることがあります。予防としては、胸を開く・背中をゆるめる動きを日常に取り入れ、肩関節だけに頼らない体の使い方を意識すること、そして冷えや疲れをためすぎないことが役立ちます。
Q. 反対側の肩まで痛くなってきました。関係ありますか?
結論として、片側をかばう動作が続くと反対側や首・背中に負担が広がることはあります。ただし両肩の痛みや強まる痛みは他の要因が隠れていることもあるため、まず整形外科での確認をおすすめします。そのうえで機能的な問題であれば、全体のバランスを診る視点で対応します。自己判断で無理に動かさないでください。
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